2025年(令和7年)2月19日、滋賀県が、琵琶湖で表層と湖底の水が混ざり合う、いわゆる「全層循環」を観測したことを発表しました。
5年連続で、観測することができた、とのこと。
耳慣れない「全層循環」という言葉。何より、このような観測も滋賀県庁の仕事なんですね。
取組の様子をご紹介します。
1 全層循環とは
「全層循環」は、湖底に酸素が行き渡ることから「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれています。
底生生物などの生態系に影響する、大事な循環。
例年1月下旬から2月頃にみられる現象のようですが、昨年度は、暖冬の影響で、1か月遅れでようやく確認されました。平成30年度と令和元年度は、そもそも観測できませんでした。
県立の琵琶湖環境科学研究センターが、2月10日の水質調査で、表層と、水深90メートルの湖底でほぼ同じ酸素濃度になっていることを確認しました。
水温も表層と湖底で同程度になったことを、14日、確認したそうです。
地球温暖化の影響による環境変化も懸念される中、例年並みの時期に観測できたことに、県の担当者もほっとしているようです。
2 琵琶湖の環境
日本最大の淡水湖である、琵琶湖。
面積は約670㎢。湖岸の延長は約235㎞。周囲の道路を一周すると約200㎞となるようです。
一番深いところで約104m、平均では約41mほど。
日本一大きな湖です。
世界の湖と比較しても、有数の古い歴史をもつ琵琶湖。
長い時間の中で、生物は独自の進化をとげました。琵琶湖にしかいない、いわゆる固有種もたくさん確認されています。
生息している1700種ほどの水生動植物のなかで、60種以上が琵琶湖にしかいない固有種だということです。
貴重な自然環境を有するとともに、水源として、近畿圏の多くの住民の生活を支える琵琶湖。
「Mother Lake(マザーレイク、母なる湖)」と表現したくなる気持ちもよく分かります。
滋賀県庁の方々にとって、県土について考えるということは、琵琶湖について考えること、そのものなのかもしれません。