山口県の南西部に位置する、宇部市(うべし)。
3D化したハザードマップを作成し、市民に提供しています。
感覚的に、とても分かりやすいものとなっています。
1 三次元化したハザードマップ
瀬戸内海の北西端に位置する海域を、周防灘(すおうなだ)といいます。
この周防灘に面する宇部市は、下関市、山口市に次いで、山口県第3位の人口を有する都市です。
北九州工業地域・瀬戸内工業地域の一翼を担う、工業のまち。
宇部市では、ハザードマップを3Dで作成する取組を行っています。
近年多発している災害を踏まえ、全国の自治体で、ハザードマップの作成が進んでいます。
かつてのハザードマップは、当該市町村のエリアをカバーした地図を、例えば洪水時の浸水エリアなどを着色して、紙ベースで作成し、住民が確認できるようにする、という取組でした。
近年は、多くの自治体で、ホームページにも掲載しています。加えて、様々な形で、デジタルデータとして公開し、一定の操作ができるようにしています。
ただ、気になる土地があって、その自治体のホームページのハザードマップを確認したけれども、使い方のコツが分からずに、結局、挫折してしまった。
或いは、そんな経験をした人も多いのではないかと思います。
宇部市では、3D、即ち三次元で、視覚的に分かりやすく確認できるようにしました。
さらに、その使い方を説明する動画を作成し、公開しています。
「ピンチイン」「ピンチアウト」と言われても、よく分からない高齢の方は多いと思います。
(ピンチインは画面を二本指の先を、近づける方向に、なぞって画面を縮小すること。ピンチアウトはその反対で、広げて画面を拡大することです。)
YouTubeの動画には、指先の映像も出てきて、何を説明しているかが、直ぐに了解できます。
デジタルのハザードマップで、どれくらいのことが出来るのか、簡単に確認できます。
このような使い方の動画まで、セットで公開するというのが、或いは、これからのデジタルのハザードマップには、必須になってくるのかもしれません。
(↓宇部市デジタルハザードマップタブレットPC版操作動画のリンク先)
https://www.youtube.com/watch?v=800As-3avZ0
2 全国で進むハザードマップの作成
そもそも、ハザードマップ(Hazard map)とは、地形や、地盤の特徴をもとに、自然災害(洪水や津波、或いは土砂災害など)による被害を予測して、被害が想定される範囲を地図に落とし込んだものです。
日本では、1990年代から、防災面でのソフト対策として作成が進められています。
2000年(平成12年)3月31日に、有珠山が噴火しました。
この際、行政は、ハザードマップに従い、住民や観光客を避難させ、人的被害を防ぎました。
ハザードマップが注目される、一つの契機になった、といわれています。
また、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災津波では、それまで大災害にも耐えられるとされていた構造物ですら、被害を防ぐことができませんでした。
このような経験から、その後、自治体行政の現場では、構造物による対策(ハード)に加えて、人命を最優先に確保するための避難対策(ソフト)を、必ず、両輪で考えるようになりました。
ハザードマップは、以前にも増して、重要なポイントになっています。
ただし、そんな思いで、自治体が、予算をかけて、折角作ったデジタルの、ハザードマップ。
デジタルに馴染みのない世代の住民にも、どうしたら馴染んで、使いこなしてもらえるのか。
そんな問題意識からも、この宇部市の3Dハザードマップと、その使い方を説明する、動画作成は、とても興味深い取組だと思います。

